◇コミュニケーションにとって「きくこと」とは
コミュニケーションの中で「きくこと」は重要な要素でありながら、コミュニケーション訓練では「話すこと」「読むこと」「書くこと」が主流で「聞く」という練習はあまり行われない傾向にあります。
これは、声や音は自然に入ってくる(無意識の作業)のに対して、「話すこと」「読むこと」「書くこと」は意識的な作業と理解されているからでしょう。
しかし、実際には「きくこと」は大変難しいことなのです。
コミュニケーションに占める「聞くこと」
アメリカの心理学者、Ⅴ.Smithの調査によりますと、私たちが日常生活においてコミュニケーションに費やす時間は、「聞く」の割合が実に45%にものぼるといいます。
少なくとも時間的には、話しているより「聞いている」割合が多く、コミュニケーションのベースになっていることがわかります。
コミュニケーションの構成比
▪聞くこと 45%
▪話すこと 30%
▪読むこと 16%
▪書くこと 9%
これほどコミュニケーションの中で大きな比重を占める「きくこと」とはどういうものなのでしょうか
日頃どんな聞き方をしていますか?
確かに、人の話は聞くつもりがなくても耳に入ってきます。
しかし、それではコミュニケーションをしているとは言いません。
コミュニケーションは、相手との相互作業であり
意識的・積極的
に行われるものです。
話が何となく耳に入ってくるのは自然の生理作用に過ぎません。